こっそりイヌを飼う
それでも動物全般に興味があったのは事実で、小学6年生の時にたまたま子犬を拾いました。白くてふわふわ、あどけない黒い瞳、どうしようもなく可愛い!!心をわしづかみされました。そのまま家に連れて帰ると家では飼えないので捨ててきなさいとの一言。手放せるはずはなく、迷った末に親友と一緒にこっそり飼うことにしました。場所は「秘密基地」、当時建設中の巨大団地があったのです。名前を「ロン」とつけ、ドッグフードや容器などをおこづかいで買うのも楽しくて、何もかも初めてでうれしくて仕方ありませんでした。しかし、実際に飼い始めると日中のわずかな時間しか一緒にいることができず、寂しそうにすがりつく様子に気の毒なことをしたと気づきました。3日目にはちゃんと飼ってくれる飼い主を探しはじめ、ロンを抱いて一軒一軒回り子どもが頼み込んだのが良かったのか、案外あっさりと大きなお家のご夫婦が引き取ってくれました。小学校のすぐ近くだったにも関わらず、それきりロンに会うことはありませんでしたが、きっと大事にしてもらっていると信じて安心していました。