選んでもらえること~3年目の気づき。

動物園にいるときに言われた言葉です「動物たち(とその飼い主である飼育員)は獣医師を選べない」。新人でもベテランでも命にどう向き合ってるかも関係なく、動物園ではそこに勤務する獣医師がその動物たちを診ます。この獣医師で良かった、と思われるように仕事をしていました。

ここ半年くらいでしょうか、個人のペットの往診が増えてきました。ポニーやヤギなどはもちろんですが、イヌやネコなども少しずつ呼ばれるようになりました。依頼があった場合は、動物病院に行ってもらうほうが往診よりも出来ることが多いことをお伝えしますが、「どうしてもの場合」がわりと多いことも分かってきました。

 動物病院に連れていけない理由は主に下記です。

  • 飼い主さんの理由;高齢のため、車の運転ができない、など
  • 動物側の理由;大きすぎる、車に乗ると吐くなどつらい思いをさせる、多頭飼育で一度に連れて行けない、など
  • その他;特殊な動物は診てくれる病院が少なく遠方だったり待ち時間が長すぎなどで負担が大きい、など

そして最近「私だから」という理由で呼んでいただくことがありました。選べない動物園の獣医師ではなく、数ある病院の中で選んでもらえるなんて!

医師は患者さんを自分の家族と思って診よ、と聞いたことがあります。私も飼い主さんは自分、患者さんは自分の家族同様の大切なペットと思って診ています。

誰かのために出来ることがある、それほど幸せなことは無いなぁ。この仕事を始めて本当に良かったと最近しみじみと思います。

これからも必要としている動物とひとのために頑張っていきます!!

かっこ良すぎるスイスシェパードと、ちょっと彼は迷惑そう