老犬まろちゃんについて

17歳のイヌが夜鳴きと徘徊が始まって困っているとのことで伺いました。 まろちゃんはサークルの中で時計回りにずっと歩き続けていました。
食欲はすこぶる良くて、むしろ食べ過ぎなくらいとのことでした。
すべてが「認知症」の症状と一致します。

診察しようとするとに噛みつく仕草が💦どうやらかつての「番犬魂」が蘇ったようです。

まずはストレスを出来るだけ減らすことから。大きな物音は控え、体を洗うなど嫌がることは極力やめて、驚かさないようにすることが大切です。サークルの床材も歩くたびにかさか音が出ていたので、毛足の長い滑らないバスマットをお勧めしました。
そして合わせて漢方薬で認知症に効果のある「熄風」を処方しました。

翌日の様子が上の写真です。
早速バスマットを敷き詰めたところ、すっかり落ち着いたようで
夜鳴きも徘徊もなくなりよく眠れるようになったそうです。
そしてやたらと食べることもなくなったとのこと。
よかった!これほどすぐに効果が出るとうれしいです。
今後は少しずつ漢方を減らして様子を見ていけそうです。

獣医療が進み動物の寿命が延びると、人と同じく介護の問題が大きくなってきました。認知症が進み夜鳴きが激しくなると、人も眠れなくなり精神的に追い込まれてしまい、安楽死を選択するケースももちろんあります。

大切な家族が幸せな余生を送れるように、精神安定剤などの西洋医学だけでなく漢方をはじめ環境改善など様々な工夫を重ねていくことが必要です。